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 みりかが泣きながら部屋に駆け込んで来た。何事かと思ったが、話を聞くと澪の飼っているヒヨコの「ひよすけさん」の様子が変だと言う。

 慌てて駆けつけてみると、そこには澪だけでなく彩音たちも来ていた。とにかく、澪が泣きながらひよすけさんを撫でているので、そっとその手を離し様子を見てみる。素人目に見ても、具合がかなり悪そうだ。

 彩音がネットで調べた結果を見せてくれた。やはり、病気のときは暖めてすぐに病院へ行った方が良いらしい。買い置きのあった使い捨てカイロでカゴを暖め、そのまま車で夜間病院へと向かった。かなり久しぶりの運転だったのでヒヤヒヤしたが、無事に病院へ到着。彩音があらかじめ電話をしていてくれたので、すぐに診てもらえた。

 獣医の言うことには、ヒヨコには生まれつき身体の弱いものがいて、皆が皆、大人になれないと言うことだった。ひよすけさんはもともと身体が弱かった上に、風邪をひいてしまったらしい。そして、今夜が峠だとも言われた。栄養剤と風邪薬を投与してもらい、家へと戻った。

 それからずっと、澪とみりか、それに彩音は寝ないで看病をしている。

 帰宅してから気付いたが、こんなに大騒ぎをしているのに、沙夜の姿が見当たらない。彼女の部屋に行き、話を聞いた所、意外なことがわかった。沙夜も小さい頃、ヒヨコを買っていて、そのヒヨコはすぐに死んでしまったらしい。そして、ひよすけさんが病気になったのも、そんな自分のせいだと悩んでいる。なぜ、そんな考えが思い浮かぶのか訊ねてみたが要領を得ない。

 話をしているうちに沙夜が飛びついて来たので、良くないことだとは思いつつも、抱きしめながら「ひよすけさんは大丈夫。そして、この幸せなひと時も」と慰めた。沙夜は大泣きしたが、その後落ち着いたようだ。

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